過払い請求 特集

Money Japan

消滅時効の起算点はいつからか?

過払い請求の裁判の際にキャッシング会社が主張することのある消滅時効について。

消滅時効の起算点について、これまで司法の判断は下記の二通りに分かれていました。

  • 個々の取引での過払い金の発生時から
  • 取引終了時(最終返済日や契約解除時)

当然のことですが、過払い金の発生時より消滅時効が進むとなれば、キャッシング会社に有利となりますし、取引終了時からであれば債務者に有利な判断となります。

この点について、平成21年1月22日、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)において、結論が下されました。

その中で、「借り入れと返済を繰り返し行う取引であり、そこでは貸し手と借り手の中で過払い金を新たな借入金の返済に充てると合意を含むものであり、都度、過払い金返還請求をすることは想定されていない。」と指摘。

その上で、「過払い金の消滅時効は取引終了時から進行するもの」と解するのが相当と判決を下しました。

最高裁判例 詳細
事件番号 平成20(受)468
事件名 不当利得返還等請求事件
裁判年月日 平成21年1月22日
法廷名 最高裁第一小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集 巻・号・頁
原審裁裁判所名 東京高等裁判所
原審事件番号 平成19(ネ)3941
原審裁判年月日 平成19年12月13日
判示事項
裁判要旨 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合には,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は,特段の事情がない限り,上記取引が終了した時から進行する
参照法条