ブラックリスト完全ガイド

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原則、過払い請求が原因でブラックリストに登録されることはない

信用情報機関に登録される異動・事故情報(所謂、ブラックリスト)の原因として延滞や自己破産や任意整理などの債務整理があります。昔は過払い請求も債務整理の1つとして扱われていました。そのため信用情報機関には事故情報の1つであるコード32(債務整理)が登録されていました。

しかし、今では過払い請求は債務整理として扱われなくなったので、原則、ブラックリスト入りすることはなくなりました。

安心して過払い請求をしてください。

過払い請求でのブラックリスト(コード71)の廃止されるまでの経緯

債務整理の1つとして扱われていた過払い請求ですが、貸金業界を監督する金融庁が「過払い請求をした人を債務整理扱いするな!}と要請をかけたことにより、コード32(債務整理)の登録を止めました。しかし、新たにコード71(契約見直し)という分類を作り、過払い請求をした人を把握するようになりました。平成19年9月のことでした。

債務整理として記録されていたものが、契約見直しと言葉が変わっただけで結局ブラック扱いされることに変わりはありません。結果、過払い請求することを断念する人も多くいました。

実質、「債務整理(コード32)」と変わりがない状況に金融庁が再び動きます。コード71ができて半年も経たない2010年1月14日、金融庁は過払い請求をした履歴を信用情報から削除する方針を決めたのです。そして、信用情報を取り扱っている日本信用情報機構が2010年4月19日より新規登録の受け付けをせず、また登録されている情報についても削除することを発表しました。

日本信用情報機構:過払い請求に関する個人情報の収集・廃止のお知らせ

これにより名実ともにブラックリストに登録されなくなったのです。

例外的に登録される4つのケース

通常、過払い請求はブラックリスト掲載の条件にはなりません。しかし例外となるケースがあるのも事実です。安心して過払い請求をするためにも自分に当てはまる点はないか確認しておきましょう。

借金返済中に弁護士・司法書士に依頼した場合

この場合、一時的にブラックリスト掲載される可能性があります。

まず過払い請求の依頼を受けた弁護士や司法書士は『受任通知』と呼ばれるものを貸金業者に郵送します。これは弁護士・司法書士が「あなたの会社のお客さんから依頼を受けました」ということを知らせる文書です。

受任通知の効果
  • 受け取った段階で貸金業者は債務者へ取り立てなど直接連絡の禁止
  • 借金返済中の場合、和解まで借金返済を中断できる

受任通知は大きなメリットもありますが、別名、「介入通知」・「債務整理開始通知」ともいわれるものです。

信用情報機関の一つ日本信用情報機構(JICC)では、貸金業者が受認通知を受け取ってから和解するまで「債務整理」として登録しています。

弁護士や司法書士に依頼してから取引履歴を取り寄せ引き直し計算を行います。過払い金が出ていれば問題ないですが、過払い金がない場合は任意整理扱いとなるので信用徐放機関に債務整理と記録されることになります。

取引年数の長さなどから明らかに過払い請求になるとわかっていれば信用情報機関には登録しない業者も多い。

手続きが過払い請求として完了した場合、債務整理ではないので信用情報機関に登録された情報が削除されることになります。これでブラックではなくなります。

弁護士や司法書士に依頼した場合は一時的にブラックリストに載ることもあるということを覚えていてください。

引き直し計算をしたら過払い金がなかった

自分で過払い請求をする場合、貸金業者から取引履歴を取り寄せて、引き直し計算をするので過払い金の有無はきちんと把握できるので、このケースに当てはまることはないので安心してください。

問題となるのは、弁護士・司法書士に依頼していたとき。
取引年数や借入・返済の状況によっては、借金は今よりも大幅に減るのだけれど過払い金は発生していないという状況も十分考えられます。

弁護士や司法書士に依頼してから取引履歴を取り寄せ引き直し計算を行います。過払い金が出ていれば問題ないですが、過払い金がない場合は任意整理扱いとなるので信用徐放機関に債務整理と記録されることになります。

その場合、弁護士・司法書士は借金の減額交渉をしていきます。
これは過払い請求ではなく任意整理となり、信用情報機関への登録対象となります。

クレジットカードのショッピング枠の存在

クレジットカードはショッピングとキャッシングの2つの使い方ができます。
キャッシング利用分を引き直し計算して、過払い金がある場合でも注意が必要です。

ショッピング枠の支払いが残っていると、過払い金はその支払いに充当(相殺)されます。問題となるのは過払い金より支払い分の方が多いケースです。この場合、過払い請求ではなく任意整理として扱われるのでブラックリストに登録されることになります。

関連会社・合併した会社・保証会社にも注意!

  • 過払い請求をする会社に親会社や子会社があり、その会社にも借入がある場合
  • 過払い請求をする会社が合併していて、合併前の他社にも借入がある場合
  • 過払い請求をする会社が保証会社をしていて、その会社にも借入がある場合

過払い金の返還請求を受けた会社は、できることならお金を返したくはありません。
そこで関連する会社にある債務と相殺するのですが、過払い請求よりも残っている借金の方が多い場合は、任意整理となりブラック扱いとなります。

絶対 ブラックリスト掲載されない方法とは!?

自分で過払い請求する人も弁護士や司法書士に依頼する人も、対象となる貸金業者が

  • 保証会社となっていないか
  • 合併していないか
  • 関連会社がないか
  • クレジットカードの支払いが残っていないか

の4点を絶対に確認しておくこと!

その上で、自分で過払い請求をするのであれば絶対にブラックリストに登録されることはないので安心してください。

弁護士・司法書士に依頼する人の場合は、さらに下記3点を守れば大丈夫です。

  • 自分で貸金業者に取引履歴の開示請求を行う
  • 自分で引き直し計算するか、代行業者に依頼して過払い金の有無を確認
  • 過払い金がある場合のみ、引き直し計算の結果を持って弁・司に相談・依頼する

いずれの方法であったとしても、社内ブラックになることは諦めてください。